引退した球児の夏休み
引退した球児は夏休みに何をしているのだろうか。
特に地方予選で敗れた球児によっては、かなり時間があるように思われる。
今回は個人的な感想として、球児の良い夏休みと悪い夏休みの過ごし方について書いていく。
人様の夏休みにケチつけんなよとか言われそうだが、現役球児や未来の球児には知っておいてもらいたいのだ。こんなに自由に時間を使える時こそ、有意義に過ごしてもらいたい。
1.良い夏休みの過ごし方について
・予備校で夏期講習を受ける
・オープンキャンパスに行く
・大学でも野球をやるためセレクションに向けて練習する
・親の仕事を手伝う(実家が自営業の場合等)
・以前、所属していたチームに挨拶にいく
・本を読む
・彼女とかつくって海にいっちゃう
・応援してくれたお返しに他の部活の応援にいく
・新しい目標に向かって準備をはじめる
・健全なバイトをする
・健全なバイトをしたお金で家族やお世話になった人に食事をご馳走する
・野球部の同級生で集まり、なぜか気分がよくなってしまう水を飲みながら思い出を振り返る。(現役の時にしこりがあったチームメイトと腹を割って話せたりする)
・空に消えてった打ち上げ花火
・真夏の空の下で震えながら君のことを考える
・四六時中も好きと言っちゃうし夢の中に連れて行っちゃう
2.悪い夏休みの過ごし方
・イキって喫煙する(甲子園出た選手でも喫煙したりする)
・客引きのバイトをする
(し〇や、いけ〇くろの客引きの中には、強豪校でレギュラーだった部員が客引きしている)
・無免許で原付とか乗っちゃう
・風俗店にいこうと画策し、本当に行っちゃう(男として気持ちは分かるが)
ここで書いたことは、毎年の夏に必ず行われていることである。
知っている人は知っているだろう。
メディアが創りだす球児像と現実の乖離を知っていて、高校野球が嫌いな人もいるのではないだろうか。
現役の時にはやたら「親に感謝」、「監督さんに感謝」、「最高の仲間に感謝」などと言っている球児でさえ、上で書いた項目に走ってしまう。
これまでが厳しかったから少し羽目を外すのは理解できなくもないが
お前らが目指してきた「栄冠」は何なのか
「感謝」の本質は何なのか、「感謝」と「行動」はセットではないのか
と、小一時間くらい問い詰めたくなる。
自分も立派な人間ではないため、球児に対して立派になれとは言えない。
言いたいのは、もっと時間の使い方を考えてみてほしい。ということ。
未来の球児にも、若い時から時間の使い方を意識してもらいたい。
月単位や年単位で見ると大きな差になるから。
後悔を重ねてきた野球人として、老婆心ながら言っておきたい。
3.球児たちはどう生きるか
壮大な見出しを書いてしまったが、時間がある時に1冊の本を読んでもらいたいと思う。
読んでもらいたい本は「君たちはどう生きるか」だ。
この本は、好奇心旺盛な少年「コペル君」と、彼を亡き父親の代わりに見守る教養ある「おじさん」のやりとりから、生きる意味についての考え方にふれている。
1973年に刊行されたものだが、昨年くらいにマンガの形式で発行された。
これがとても読みやすく、発売して1年足らずで200万部も売れたそうな。
自分も定期的に読み返していて、悩んだ時こそ手に取っている。
野球は厳しい練習や辛いこと、努力をしても必ず結果が出る訳ではない。
そんな残酷な環境にいた球児にこそ、自身の今後について夏休みに考えてもらいたいと思う。